相続した不動産の名義変更を放置すると
相続した不動産の名義変更を放置すると、大変なことになります。
東日本大震災後の復興事業で土地の所有者が分からず事業が難航した、という例がありましたが、この頃はもっと身近なところで、空き家問題が深刻になってきています。
私が取り組んだことのある、相続空き家の例では、かなり長期間放置されていたため、相続人の数がなんと63人にものぼった例があります。ここまでの状態になってしまうと、相続人の確定だけでも数カ月、遺産分割に合意するのに数年を要することになります。また、一人でも合意しないと遺産分割は効力を生じないため、専門家としても相当な能力が要求されます。この案件では、被相続人は慶應3年(大政奉還、坂本龍馬暗殺などの年)の生まれで、昭和25年頃に死亡していました。当時の方は子供が多く、6人子供がおり、さらに孫、ひ孫の代まで相続が進んでいました。戸籍謄本をすべて取り寄せたところ、厚みが20センチほどもありました。すべての戸籍を読み解き、相続人を確認するのに2時間以上かかりました。また、すべての相続人に手紙で案内を送り、手続きへの協力を取り付け、一部の相続人にはハンコ代を支払い、全相続人から合意を取った頃には受任から1年以上経過していました。戸籍謄本や郵送料などの実費だけでも10万円を超えていたと思います。このケースでは何とか合意できましたが、一人でも合意しない人がいたら遺産分割調停などの手続きに入り、さらに年単位の時間を要したでしょう。
将来孫やひ孫にツケを回さないためにも、相続が起きたときには必ず名義変更の手続きをしておくことをおすすめします。とはいえ、疎遠な親族がいたり、平日に役所に行けなかったりすると思いますので、ぜひお近くの相続専門家を頼っていただけたらと思います。
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