養子縁組で相続税が発生?

養子縁組をしたことによって本来支払う必要のなかった相続税が発生してしまったケースがあります。

通常は相続対策の一つの方法として選択肢になる養子縁組なのですが、、、、

今回は相続対策の意外な落とし穴をご紹介します。

Aさんは5人姉妹の長女ですが、結婚しておらず、子供がいません。両親も既に他界しており、一人暮らししています。財産は自宅のマンションと預貯金で総額5000万円程度です。近所にめいであるBさんが住んでおり、いつもAさんのことを気遣ってくれるので、AさんはBさんのことを娘のように思っており、自分の財産はBさんにすべて相続させたいと考えました。そこでAさんはBさんと養子縁組しました。その後Aさんが亡くなりました。

このケースでポイントとなるのは相続税の基礎控除額と遺留分です。

Aさんの相続人は、養子であるBさんのみとなります。相続税を算出するにあたって、基礎控除額というものがあり、3000万円プラス相続人の数×600万円を相続財産の価額から控除することができます。相続人がBさん1人なので、基礎控除額は3600万円となり、5000万円-3600万円=1400万円に対して相続税がかかります。もし、養子縁組ではなく、遺言によりBさんに全財産を贈与(遺贈)していたらどうなったでしょう。この場合、相続人は4名の姉妹となり、基礎控除額は5400万円なので、相続税はかかりません。また、兄弟姉妹には遺留分がないため、全財産を姪に相続させる遺言を書いても、遺留分減殺請求を受けることもありません。

こういうケースもあるので、相続対策を考える際には相続税のことも併せて考えておいた方が良いでしょう。ぜひ専門家に相談することをおすすめします。

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